昔話

某大手ISP(以下、I社)の営業のかたとお話しました。
氏によると、I社も回線だけでは到底たちゆかず、回線の売上よりも、システム構築などの売上のほうがずっと大きいとか。
以前の僕の勤務先が、そちらの回線、それも64kbpsのメタル回線を使っていて、その話になりました。
思い起こせば、I社がサービスを開始し始めた頃、僕は、とあるパッケージソフトの開発販売会社にいました。
そこでは、折からのインターネットブームにのかって、Webブラウザーに対応した英日翻訳ソフトを開発していました(高倉健さんが、富士通FMVのCMで「簡単じゃね〜か」と言ってた頃のことです)。
動作テストのためには、インターネットに接続せねばなりません。そこで、I社のダイアルアップサービスを利用しました。
動作テストですから、延々と接続し続けます。当時は従量課金でしたが、1分30円でした。これは当時としては図抜けて高額というわけではなく、平均よりやや高めという程度だったと記憶しています。QA部門のテストが佳境に突入すると、ISPからの請求が月に20〜30万に及ぶことがありました。
こりゃぁまずいと思っていたら、I社の営業さんから、「専用線を引きませんか?」と提案を受けたのでした。
そこで、64kbpsの専用線の導入です。
I社とは、その時以来のお付き合いなのですが、当時からの社員が結構いらっしゃるので、話が繋がるというわけです。
で、64kbpsの回線を引いて、Firewallをレンタルしました。回線費用が月に10万くらい、メタル線使用料が月に5万円くらい、Firewallのレンタル料が10万円くらいだったと記憶しています。
月に25万円が固定費として出て行くのは、会社としては、かなり大きかったんじゃないかと思います。
ところが、副次的な効果が出てきました。
当時、海外の取引先との間では、主にFaxでやり取りして、急な時は電話をしていました。国際電話です。
国際電話代ですが、当時多い時は30万くらいかかっていたらしいのですが、e-Mailが使えるようになったことで、これが急減して殆どゼロになってしまったのです。
僕は電話代のことは関知していなかったのですが、ある日、電話会社の営業のかたから電話があり、急に国際電話を使わなくなった理由を聞かれて、そのことを知ったのでした。
思えば、当時は、テレビでも電話会社が国際電話のCMを盛んにやってましたが、その後全く見なくなりましたからね。
その後、I社の回線費用が安くなったこともあって、東京のオフィスにも専用線を入れて、福岡と東京のオフィス間をVPNでつないで、ファイルの共有がさらにやりやすくなりました。
もっとも、64kbpsの回線ですから、今と比べると思いっきりのんびりでしたが(笑)
と、I社の営業さんとお話しつつ、昔を思い出しました。

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